セミブラフについて説明します。
セミブラフとは自分がベストハンドになり得るかどうかは分からないけど、ベストハンドになり得る引き目がある時に打つベットです。
このベットには相手に降りて貰うという意味合いがあり、もし相手にコールされてしまっても勝ち目も残っているという強みはあります。
ベットを打つ段階では相手より弱い手と考えられるのでブラフの一種になります。
主にフラッシュドローの時に使われることが多いです。
例1、ホールデム ノーリミット ($0.08/$0.16)
プリフロップ($0.24)
シート1
シート2
シート3(SB)
シート4(BB)
シート5(私)A♠、J♠
A持ちのツーギャップスーテッドコネクタで悪いハンドではなく、私は$0.48でレイズインしました。
シート1がフォールド、シート2は$1.44へレイズしました。
シート3、4がフォールドして再びアクションは私に回ってきました。
私はコールしました。
フロップ($3.12)5♠、9♦、6♠
ラグっぽい感じですが、私はエースハイのフラッシュドローです。
現状ではブタですが1/3の確率でフラッシュドローが引けるので、ここはその強みを利用して$2をベットしました。
これがセミブラフです。
すると相手は$5.28へレイズしてきました。
プリフロップでのアクションといい、私は相手の手をオーバーペアだと読みました。
アウツは9枚(残りの♠)あります。
4倍の法則によると36%、近似的に見てやはり私の勝率は1/3です。
しかしスタックが相手のベット額の3倍以上あるため、ここでオールインすれば相手がフォールドしてくれるフォールドエクイティも期待することができます。
私は残りの$12.67をオールインしました。
セミブラフのオールインです。
相手は考慮した末にフォールドしました。
私は$13.06(レーキ$0.62)を獲得しました。
実際にはフラッシュドローは引けない確率の方が高いのに、ターンとリバーでその引き目があるという強みを最大限に主張しているのが分かると思います。
例2、ホールデム ノーリミット ($25/$50)
プリフロップ($75)
シート1(SB)
シート2(BB)
シート3
シート4
シート5
ハイステークスのテーブルになります。
シート3、4がフォールドしました。
シート5は$100へレイズしました。
シート1は$400へレイズしました。
シート2はフォールド、シート5はコールしました。
フロップ($850)2♥、5♣、3♣
シート1が$423.5をベットしました。
するとシート5は$847へレイズしました。
そこでシート1はなんと残りの$6344をオールインしてしまいました。
これに対してシート5は長考の末に$4112.53をオールインコールしてしまいました。
ショーダウン($10769.06)
総額にして100万円以上の勝負になりました。
シート1が10♣、J♣でシート5が5♥、4♥を開きました。
1回目のターンとリバーが9♠、T♥でシート1の勝ち。
2回目のターンとリバーが6♣、2♦でこれもシート1の勝ち。
こうしてシート1が$10769.06もの非常に大きなポットを獲得しました。
これもセミブラフなのが分かると思います。
シート1はフロップでのオールインに対して、もしコールされてしまってもドローの引き目があることを押し出しています。
しかもポットが$10000を越えるために勝負が2回に分かれ、そのうちの一回は確率的にドローが引けるというのが計算に入っています。
Card Playerで勝率を調べてみますとこんな感じでした。
そんなに勝率差はありませんが、僅かに高い方が2回とも負けてしまいました。
セミブラフは個人的には非常に有効な戦略だと思います。
ピュアブラフ(何も揃っていないブラフ)と違って万が一コールされてしまっても勝ち目は残ります。
そしてほとんどの場合は相手がフォールドしてくれるというフォールドエクイティが期待できます。
こういうブラフは精神的にもやりやすいと思います。
フラッシュドローの場合ですとターンかリバーでドローが引ける確率は1/3であるため、全部コールされたとしても 3回に1回は大きく勝てるということです。
残りの2回は大きく負けてしまいますが、何より全てコールされるわけではなく、ほとんどの場合は相手がフォールドしてくれることを考慮すると勝率は大分高くなります。
そして長期的に見てこのプレイは利益が出ると言われています。
自分のカードに強みが残っているうちに、恐らく自分より強いと思われる相手をフォールドさせるというのはポーカーの醍醐味の一つなのではないでしょうか。
セミブラフはポーカーの重要なテクニックなので、是非身につけてプレイの幅を広げて下さい。