引き目によっては勝てるかもしれないセミブラフに対して、引き目がないかあってもほぼ確実に負けてるであろうハンドで、相手をフォールドさせる意図でベットすることをピュアブラフといいます。
成功すると快感ですが、相手にフォールドされずにショーダウンまでいってしまうと大きな損失を出す可能性があります。
ピュアブラフは相手が本物のカードだった場合と、こちらがアグレッシブプレイヤーと思われている場合は通用しません。
ピュアブラフはタイトプレイヤーが相手だった場合、非常に有効な戦略だと思いますが、それが故に相手をよく選ぶ必要があります。
大切なのは相手の参加ハンドレンジとプレイスタイルをよく読むことです。
そして相手がこちらのレンジをどう読んでいるかも重要です。
ピュアブラフは初心者にはリスクが高すぎてあまり使用しないほうがいいと思います。
例1、ホールデム ノーリミット ($50/$100、アンティ$20)
プリフロップ($250)
シート1
シート2
シート3
シート49♥、J♥
シート5(SB)
シート6(BB)2 ♣、Q♥
シート1、2、3がフォールドして、シート4は$250へベットしました。
シート5がフォールドして、シート6はコールでブラインドを守りにいきました。
フロップ($650)T♠、Q♣、T♦
シート6はチェック、シート4は$400をレイズしてそれにシート6はコールしました。
シート4はこの時点でオープンエンドストレートドローで、シート6がフルハウスでない限りアウツは8枚(8、K。9、Jは相手がQ持ちの場合も考慮して含めない。)あります。
このセミブラフは妥当だと思います。
一方Qがヒットしたシート6も相手がTを持っている可能性もありますのでコールは妥当だと思います。
ターン($1450)7♠
ラグですが、シート4は更に$900をポットに入れセミブラフを通しました。
Tヒットで無い限り、現状では勝っていると思われるシート6はコールしました。
リバー($3250)2♠
ドローを引けずにシート4は何も揃いませんでした。
シート4から見てもとても相手に勝っているハンドとは思えません。
しかしここで更に$2400をベットしました。
これは相手をフォールドさせることを意図したベット以外何ものでもありません。
つまりピュアブラフです。
シート6はコールに応じショーダウンして$8065(レーキ$5)を獲得しました。
これはピュアブラフの失敗例ですが、中々の状況設定だったと思います。
フロップでオープエドストレートドローを引き、フロップとターンでセミブラフ、リバーではストレーレートは引けなかったもののTのトリップスを装ってのピュアブラフは悪くないと思います。
ただ不運だったのが、フロップの時点でQをヒットさせられてたことです。
これではこの額ではさすがにコールされてしまいます。
例2(2014.9.23)、ホールデム ノーリミット ($0.08/$0.16)
プリフロップ($0.24)
シート1(SB)
シート2(BB)
シート3(私)3♦、2♦
シート4
シート5
シート6(D)
3♦、2♦のスーテッドコネクターですが、アンダーザガンからのベットはリスペクトされることが多いので$0.48でオープしました。
シート4と6だけがコールしました。
シート4はタグです。
フロップ($1.68)J♦、2♣、A♦
サードヒットとフラッシュドローを引きました。
ポジションは悪いし、相手がタグということもありセミブラフにはもってこいです。
私は$0.84をベット、シート4がコール、シート6がフォールドしました。
ターン($3.36)J♥
これは私にとっては嬉しいカードです。
相手は如何せんタグですので、フロップで後ろにもアクションを控えられた立場で、セカンドヒットではコールしてこなかったと多います。
そうなるとトップヒットかドローの可能性が高いです。
今までの強いアクションを継続し、更に$2.14をベットしました。
相手はこれにもコールしてきました。
リバー($7.64)4♥
ドローは引けませんでしたが、これはラグっぽいです。
相手のレンジとアクションを考え、唯一負けていそうなのが2のセットですがその可能性は低く、ここはJのトリップスを装いピュアブラフを試みました。
$5.24と少し大目の額をベットすると、相手はフォールドしました。
タグ(分別のあるプレイヤー)なら、いくらAのトップヒットと言えどトリップスが見えている状況ではベットしにくいということを利用したのです。
ピュアブラフはとても有力だと思いますが、使うタイミングとベット額は難しいと思います。
またリレイズされたら基本的にはフォールドすることになります。
上級者になるとストーリーを作ってノーペアでもピュアブラフを打ってきますが、リスクが高く勇気もいると思います。