国立西洋美術館常設展の所要時間はどうか

2023.12.16(土)上野公園の国立西洋美術館に行ってきました。

国立西洋美術館はJR公園改札口を出ればすぐです。冬なので動物園からの動物の臭いが漂っていました。常設展の入場料は500円でした。尚特別展はこの日はキュビズムで入場料は2200円でした。初めてなので常設展から見てみることにしました。

中は撮影禁止の作品もありますので注意しながら撮影しました。

国立西洋美術館の原点は松方幸次郎(1866~1950)が20世紀初頭に作り上げたコレクションにあります。松方幸次郎は川崎造船所や神戸新聞社を率い、事業を大きく伸長させた人です。日本で最初の西洋美術館の常設展を立ち上げるため、1916年より10年間精力的に美術品を買い集めました。現地の人の協力もありました。関東大震災や第二次世界大戦によってコレクションは散逸しましたが、一時は接収されたものの交渉でフランスから370点ほど返還され、1959年に国立西洋美術館が設立されました。以降多くの篤志家から寄贈を受け現在に至っています。

ローマ帝政期の教父と呼ばれた神学者アウグスティヌスです。「告白録」「神の国」を著しました。

赤外線で下書きを見ることができ、前方はしっかり下書きをし、遠方はほとんどしなかったのが分かります。

ヤコポ・デル・セッライオ 奉納祭壇画:聖三位一体、聖母マリア、聖ヨハネと寄進者(1480~85)。聖三位一体とは神、精霊、キリストのことです。

パオロ・ヴェロネーゼ 聖カタリナの神秘の結婚(1547年)。聖母マリアがキリストを抱いています。ふくよかな女性の絵が多いと思いました。

ピーテル・ブリューゲル(子) 鳥罠のある風景 一見スケートを楽しんでいる風景がに見えますが、右下の鳥罠と左下の穴が暗示的で、鳥も人も同じような運命をたどることを示唆しています。

最後の晩餐 キリストと12使徒です。右の金貨を抱えてキリストに背を向けているのがユダです。

レアンドロ・バッサーノ 最後の審判

グエルチーノ ゴリアテの首を持つダヴィデ(1650年)。このように生首を持つ絵も多く、西洋の薄気味悪い感覚が伺えました。

ぺテール・パウル・ルーベン 豊穣(1630年頃)。

エドワールト・コリール ヴァニタスー書物と髑髏のある静物(1663年)。絵画の対象として女性、子供、果物、髑髏、このような主題が目立ちました。

ヨハン・ハインリヒ・フュースリ グイド・カヴァルカンティの亡霊に出会うテオドーレ(1783年頃)

ピエール・オーギュスト・ルノワール アルジェリア風のパリの女たち(1872年)。ルノワール初期の作品です。

エドゥアール・マネ 花の中の子供(1876年)。マネの作品です。子供の顔がのっぺらぼうで、タッチが粗く未完成な絵という感じがします。印象派というのはこういう絵を描くのですね。

クロード・モネ 睡蓮(1916年)。タッチが粗くて色彩が豊でマネに近い絵だど思いました。一面に飾る大きな絵でした。

クロード・モネ 舟遊び(1887年)。光と影が対照的です。

フィンセント・ファン・ゴッホ ばら(1889年)。ゴッホの晩年の作です。絵は意外に小さいですが、激しくうなる筆づかいが見られます。ゴッホの作品はこの一点しかありませんでした。

所要時間ですが、私は2:30~4:30まで2時間くらいかかりました。専門的な知識があればもっとじっくり楽しめると思いますし、休憩時間等を含めて大体2~3時間くらいで回るのが丁度いいと思います。作品の時代背景とかの知識があればより楽しめると思います。